しかし、発信者のメッセージを受けとめるべきことばも概念も持ち合わせていなかった明治の翻訳者たちは、原文の意味するところそのままに再現すべくもなかった。洋の東西を跨ぐのは容易なことではなく、そこには彼らの時に大胆で時に繊細な悪戦苦闘の歴史が刻み込まれている。「翻訳」とは、閉じられた空間に攪乱と葛藤をもたらす媒介行為であり、問いと反問によって対話を巻き起こすパフォーマティブな実践ということができる。そうした翻訳営為を読み解くには、ことばの意味と運用にとどまらないメディアの情勢・ジャンルの記憶・政治的なイデオロギーに分け入らなければならない。
この展示では、明治から昭和に至る、翻訳をめぐる苦闘の歴史の一端を示している。
【延期】
4月4日(土)から6月13日(土)まで開催の予定でしたが、新型コロナウイルス拡散防止のため開催を延期します。開催の時期は状況を見て判断し、当ホームページにてお知らせ致します。
4月4日(土)から6月13日(土)まで開催の予定でしたが、新型コロナウイルス拡散防止のため開催を延期します。開催の時期は状況を見て判断し、当ホームページにてお知らせ致します。
add: 2020-05-04 / mod: 2020-05-04