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馬は人間にとって、運搬・通信・農耕など多くの役割を果たしてくれる動物です。
日本列島には古墳時代の中頃に馬と乗馬の文化、馬の生産・育成の技術が朝鮮半島から導入されました。律令国家の成立期には軍用や通信の手段としての馬の確保が重視され、各地に馬の生産牧場が設置されました。平安時代には朝廷直轄の勅旨牧(御牧)が信濃・上野・甲斐・武蔵の4カ国に設置され、天皇の馬「御馬」を毎年朝廷に貢進しました。
横浜市域を含む武蔵国には6箇所の勅旨牧が置かれ、そのうち2箇所は鶴見川流域にあったとみる説が有力です。この展覧会では古代の有力な馬産地の一つであった武蔵国を中心とする南関東の馬生産や交通の様相について、馬具などの考古資料や絵画資料、古典籍をまじえて見てゆきます。
add: 2019-02-09 / mod: 2019-02-09