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江戸時代元禄年間には好景気を迎え、経済力を蓄えた町人を中心として元禄文化が発展します。贅を好む風潮の中で、色絵を施した豪奢なうつわを求める気運が高まりました。そうした需要に応えるように、ちょうどこの頃、伊万里焼に“古伊万里金襴手様式(こいまりきんらんでようしき)”が成立します。この色絵と金彩を施したうつわは、高級食器として富裕層の間で大変好まれ、以降、伊万里焼の色絵を代表するものとなります。また、同時期に海外輸出向けにも古伊万里金襴手様式の壺や皿が生産され、西欧の王侯貴族にも食器や室内装飾品として人気を博しました。
続く明治時代になると、それまで道具であった様々な工芸品が鑑賞品として評価されるようになります。食器であった伊万里焼にも鑑賞を目的に愛好し蒐集する外国人や日本人があらわれましたが、真っ先にその対象とされたのが古伊万里金襴手様式でした。
江戸時代の高級食器から、美術品へ。今展では、いつの時代も人々を虜にしてきた絢爛豪華な古伊万里金襴手を展観いたします。
add: 2018-06-02 / mod: 2018-06-02