1981年に創刊した『FOCUS』は、「写真で時代を読む」をキャッチフレーズに、丹念な張り込み取材と1枚の写真を大きく使い、文字よりも写真に語らせる記事を展開した写真週刊誌の先駆けで、新しいジャーナリズムのスタイルを確立しました。本展では、同誌休刊までの20年間に氏が取材で撮影した、政治家、俳優、スポーツ選手、脚本家、写真家など、各界の著名人をとらえたポートレートを中心に、約80点(全作品モノクロ)を展示いたします。
勝新太郎、松井秀喜、泉ピン子、立川談志、宮澤喜一、デーブ大久保、ビートたけしなど、その時代に注目を浴びてきた著名人の表情やまなざしに宿る意志の強さ、ふとしたしぐさに垣間見える素顔をとらえた写真は、常に人間の内側を撮ろうという姿勢で取材に臨んでいた氏ならではのものでしょう。時には張り込みに四十数日間かけることもあったという厳しい経験をする中で、どんな場面であっても、ファインダーを覗いている時に怖さを感じたことはなかったと語っています。
長い写真家人生の中で常に人にカメラを向けてきた鷲尾氏が、時代を彩った人物に焦点を当てた写真展です。今回、新潮社のご協力により開催の運びとなりました。
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add: 2017-05-05 / mod: 2017-05-05