【休室日】
4月21・22日、25〜27日
5月23〜26日、30・31日
6月21日、23・24日、27〜30日
7月1日、21・22日
【入場制限】
8名以内 ※展示室内の混雑緩和のため
================
明治12年に刊行された番付「講談浄瑠璃落語定席一覧表」には、東京府下の171軒の寄席が、大正15年の「東京演芸場組合員名簿」には、同じく185軒の寄席が掲載されています。これらの寄席(席亭)は落語中心の「色物席」、講談中心の「講釈席」、義太夫(浄瑠璃)席、浪曲(浪花節)席などに大別され、多くは常時興行を行う「定席」として、庶民の日常の娯楽の中心にありました。
夏目漱石の小説「三四郎」の中で主人公が訪れる「木原店」や、森鷗外の小説「雁」の中に登場する「吹抜亭」も、これらの寄席の中のひとつです。残念ながら関東大震災後には、震災の痛手に加えて、昭和初期の恐慌や映画館の隆盛等を原因としてその数が激減し、第二次世界大戦後まで残ったものは僅か数軒にすぎません。
本展では、見立番付や寄席ビラといった国立劇場所蔵資料の中から、それらの忘れられた席亭の名を拾い出し、錦絵や絵画資料に描かれた寄席の風景と合わせて展観することで、明治大正期の寄席の黄金時代を追体験してみたいと思います。