寄木細工とは、色や木目が異なる木のかけらや板を組み合わせて創り出した、木工装飾の技術です。日本では江戸時代になると駿河国府中(現在の静岡市)や相模国箱根(神奈川県)で製作されました。寄木の幾何学的な模様で飾られた家具や手回りの道具の至芸に、庶民はもちろん武家や大名までもが魅せられました。幕末以降は外国人をも魅了し、横浜から主に欧米に向けて盛んに輸出されました。
本展では永く寄木細工の作品を収集してこられた金子皓彦氏より選びぬいた家具や道具類をお借りし、その美しさと優れた技術をご覧いただきます。またさまざまな文様や製作技法、寄木細工にまつわる歴史的なエピソードも紹介します。
寄木細工に見る美と高度な技術の世界をぜひお楽しみください。