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映画
07/16/2017(Sun)
現代アメリカン・アヴァンガルド傑作選2017「ランドスケープと実体 Landscape and Substances」「わびしいリアリティ A Bleak Reality」

【プログラム1】
「ランドスケープと実体Landscape and Substances」(計75min)
プログラム1「ランドスケープと実体」では、アメリカで制作され話題となりながらも、未だ日本で発表されていない作品の中から、ある特定の地域の風景・景色を描き出す作品を中心に、被写体が表す形体、または作品を構成する形式をコンセプトのひとつにしている、16ミリフィルム作品(ビデオ版での上映)を紹介する。
『形式への回帰』ザカリー・エプカー
Return to Forms (Zachary Epcar, 10 min., 2016)
日常生活を取り囲む商品と、窓の外に広がる風景を撮影した映像で構成された作品。カメラによって捉えられた風景は、人間が裸眼で見るものとは異なる現象を映し出し、被写体が持つ幾何学的、もしくは有機的な模様が、人工物と自然が持つ美しさを対比する。
『彫像』ロバート・タッド
Statuary (Robert Todd, 9 min., 2016)
ランドスケープの一部である彫像は、刻々と変わる光と影とともに表情を変え、そこを行き交う人々の営みは、街の形成する特色の一部となる。作家が生活するボストンの街並みや自然を背景に、カメラの前でポーズをとる人、休息する人、遊ぶ人などを捉えた作品。
『外の如く、内も然り』マニュエラ・デ・ラボルデ
As Without So Within (Manuela De Laborde, 25 min, 2016, Mexico / USA / United Kingdom)
壊れた彫刻の一部のように見える被写体は、照明によって背景から切り離され、その物質性と立体性を強調するが、観客はその大きさを知るすべを持たない。赤、青、黄のライトで照らされた被写体は、日常性からも切り離され、多重露光によって構図を平面的に変化させる。
『遠い地平線』ライアン・マリノ
A Distant Horizon (Ryan Marino, 7 min., 2012)
デスバレー国立公園とカリフォルニアのモノ湖などで撮影した映像で構成された作品。自然が創り出す様々な模様や形は、それらを形成するに至った長い年月を表し、そこに吹く風や波がもたらす動きは、自然の複雑な形状を創り出したはるか彼方の現象を示す。
『アメリカン・カラー』ジョシュア・ボネッタ
American Colour (Joshua Bonnetta, 24 min., 2011)
2009年に製造中止されたコダック社のコダクローム・フィルムによって撮影された16ミリ作品。映像は、コダクロームが開発・生産されていたニューヨーク州から、このフィルムを最後まで現像していたカンザス州にある現像所までの旅程で撮影された。
【プログラム2】
「わびしいリアリティA Bleak Reality」(計74.5min)
プログラム2では、現代アメリカ社会が抱える不安や、様々な問題を取り上げたドキュメンタリー性の高いアヴァンガルド・ムーヴィ/実験映画作品を取り上げ、今年のホイットニー美術館で開催されたホイットニー・ビエンナーレで紹介されたケヴィン・ジュローム・エヴァーソンの『耳と鼻と喉』(日本初上映)を含む、4作品を、本上映のために日本語字幕付きで紹介する。
『希望のためのひとつの記録』マーガレット・ロリソン
One Document for Hope (Margaret Rorison, 8 min., 2015) ※日本語字幕付上映
2015年春にメリーランド州ボルチモアで起きた暴動を16ミリフィルムで記録した作品。サウンドには、暴動中に交わされた日常的で事務的な警察無線の内容が使われ、映像はボルチモア上空を飛び回るヘリコプターと、その下で対立する警察隊と抗議する人々を映し出す。
『この場にいないようにするために』デボラ・ストラットマン
In Order Not To Be Here (Deborah Stratman, 33 min., 2002) ※日本語字幕付上映
赤外線カメラによって撮影されたファウンド・フッテージを含む映像と、主に固定カメラで夜の街を映した映像によって構成された16ミリ作品。アメリカに数限りなく存在する似たような場面は、その静寂をかき消すパトカーや救急車のサイレンによって、アメリカ社会が抱える不安と問題点を描き出す。
『耳と鼻と喉』ケヴィン・ジュローム・エヴァーソン
Ears, Nose and Throat (Kevin Jerome Everson, 10.5 min., 2016) ※日本語字幕付上映
耳鼻咽喉科で診察を受ける黒人女性が目撃した、悲惨な出来事を伝えるドキュメンタリー作品。16ミリフィルムによって撮影された映像は、その事件が起きたであろう、人通りの少ない寂しい路上と、医院の個室で、医師により執拗に検診される患者の様子を映し出す。
『輝かしい未来』マット・マッコーミック
Future So Bright (Matt McCormick, 23 min., 2010)
アメリカ西海岸に存在する、開拓時代後に見捨てられた建築物、使われなくなった軍事施設、閉館したホテルやモーテル等を被写体に、3部構成によって作られた作品。固定カメラで捉えた映像と類似する構図/被写体によって、作品はカタログ的な要素を持ち、映像の美しさとともに、必要がなくなったものを放置するアメリカ社会のあり方を指摘する。

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Place

東京 渋谷UPLINK FACTORY

関東, 日本, アジア

住所

〒150-0042 東京都 渋谷区 宇田川町37-18 トツネビル1F

連絡先

03-6825-5502

URL

http://www.uplink.co.jp/factory/

情報

1995年10月オープン。
2005年5月、東京都渋谷区神南1-8-17横山ビル5Fより移転。

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