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映画
07/21/2018(Sat)
ハイボルテージ・フィルム ピエール・リュック・ヴァイヤンクール特集
関東 高円寺UnKownシアター
open 18:00 start 18:30

■ピエール・リュック・ヴァイヤンクール[Pierre-luc Vaillancourt]

カナダ・モントリオール出身、生年月日は作家により非公表。自らがアーティストであるだけでなく、カナダ周辺のマイナーな実験映画を扱う自主レーベル<Cinema Abattoir>と<ICPCE>を運営し、公的支援に立脚しない独自の実験映画運動を牽引している。
初期はSuper-8を用いた、モノクロのSM趣味的且つハプニング的な短編を制作していたが、最新作である『AUTOPSY LIGHTS』(2015)、『Phantom Limbs』(2015)、『RUINS RIDER』(2017)では、激しいデジタルエフェクトを用いた、強烈な催眠的世界へのアプローチを試みている。
北米周辺の主要なシネマテークや美術館での作品発表も数多く行っているほか、マーク・ユルタド(エタン・ドネ)などの著名なミュージック・コンポーサーとのコラボレーションも手掛けており、今現在、カナダで最もホットな実験映画作家の一人である。
尚、日本での上映はこれが初めてとなる。
『EXTASE DE CHAIR BRISÉE』(2005, super-8, b&w, 16min)
ヴァイヤンクールの処女作。秩序の崩壊した世界で繰り広げられる、SM趣味的な不条理劇。また、本作品は<Cinema Abattoir>設立のきっかけとなった記念碑的作品でもある。英タイトルは『BROKEN FLESH ECSTASY』。
『LA NUIT OBSCURE』(2011, super-8, b&w, 29min)
ジョルジュ・バタイユの小説『死者』(1967年)にインスパイアされたという、8ミリ短編。轟音のノイズとミニマルなベースサウンドがループするなかで、モノクロのSuper-8で撮影された粒子の粗い、男女の性戯が延々と展開される。バタイユ文学を説話的な映画に置き換えるのではなく、彼の「翻訳不可能なものへの問い」の思想を、映画的な手段を使って解釈した作品。
『AUTOPSY LIGHTS』(2015, HD-VIDEO, color, 23min)
ドラッグの恍惚に浸りながら自慰行為に耽るボンデージ姿の女性。過激な肉体的パフォーマンスによって、多様な快楽のかたちとフェティシズム、そしてそこで蠢く豊かな感情のゆらめきが描かれる。
『PHANTOM LIMBS』(2015, HD-VIDEO, color, 8min)
激しい色彩の明滅の中で白骨死体と戯れる女性。「生体」という記名的なものと、「死体」という匿名的なものの“在りえない”交わりによって、生と死の連続性を描くサイケデリックフィルム。
『RUINS RIDER』(2017, HD-VIDEO, color, 49min)
バルカン半島・モンテネグロ周辺(Duklja、Zabljak、Haj Nehaj、etc…)に点在する、いくつかの廃墟を捉えた、ある種の構造的な作品。強烈な色彩のフリッカーとシンセサウンドが観る者の深層心理を刺激し、観客を原初的なリミナリティへと誘うハイボルテージ・フィルム。音響をエタン・ドネのマーク・ユルタドが手掛ける。
『HYPNAGOGIA』(2017, HD-VIDEO, color, 5 min)
ヴァイヤンクールの最新作。デジタルエフェクトによって変色を施された火山噴火の光景が、ミニマルなシンセサウンドのループとともに映し出される。「地球が内包する自然的エネルギー」という不可視な対象についての存在論的映画。催眠的なサウンド・フィルム。

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  • add: 2018-07-05
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  1. 希望的観測。 (ID: chubb3)

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