晩年の仕事で著名な二人ですが、1930年代の若き日には新しい写真表現を仕事に実現させようと邁進し、1936年開催のオリンピックベルリン大会(8月1日−16日)では現地に赴いて選手や競技を取材しています。
本展の中心は、二人のオリンピック取材写真です。ヘルシンキで直前練習を行い、ベルリンに到着して歓迎を受け、選手村でくつろぎ、ナチス式敬礼でスタンドが埋まる開会式に臨み、競技に向かう選手たち。女子200?平泳ぎで金メダルを得た前畑秀子、棒高跳びで銀・銅メダルを分かち合った大江季雄と西田修平ら、選手らの息吹と時代の波を、二人それぞれが生き生きと切り取っています。
日独間の写真電送がようやく実現した当時のこと、金丸は日本新聞写真連盟(福岡日日新聞、新愛知新聞、河北新報、北海タイムス、アサヒカメラ)特派員、名取は中外商業新報(現日本経済新聞)とドイツのウルシュタイン社特派員であったため、写真送稿では25歳の名取が10歳年上の金丸を出し抜いたこともあったようです。選手の人間性や社会を写し、競い合った二人の写真は、今日のオリンピック写真の原型とも言えましょう。
初めてドイツを訪れた金丸が夢中で撮ったベルリンのショーウインドウや、名取がドイツ人の妻とドライブした地方の風景なども合わせて展示いたします。
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add: 2018-04-29 / mod: 2018-04-29