山本周五郎(1903〜1967)は、「小説にはよき小説とよくない小説があるだけ」というゆるぎない信念のもと、あらゆる賞を拒んで、読者のため〈よき小説〉を書くことのみに生涯をささげました。市井の人びとのささやかな営み、道を究める者の苦悩、強くけなげな女性たちなど、それぞれの人生をひたむきに生きる人間の姿を鮮やかに描き出し、その心の動きを追求した作品は、世代を超えて愛され続けています。
当館では1991年(平成3)に「山本周五郎展」を開催して大変好評を得ました。そしてこの26年の間に多くの関連資料が寄贈され、充実したコレクションを収蔵するに至っています。
没後50年を機に開催する本展では、こうした新たな資料をまじえ、横浜を第二の故郷と呼んで愛した山本周五郎の生涯と、魅力あふれる作品の数々をあらためて紹介します。
〒231-0862 神奈川県 横浜市 中区山手町110
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